【北京=佐伯聡士】中国では、19歳以下の男女比が著しく不均衡なことから、2020年には 結婚適齢期を迎える男性が女性より約2400万人も多くなり、結婚相手を探すのが極めて 困難になることがわかった。共産党機関紙「人民日報」が、政府系シンクタンク社会科学院の 報告書をもとに伝えた。女性の誘拐や売買春などの犯罪行為が増え、社会が不安定化することへの 当局の懸念が背景にある。 人民日報の特集記事(8日付)によると、伝統的な男尊女卑の考え方が依然根強い上、 1979年から続く「一人っ子政策」のため、出産前に性別を鑑定し女子なら堕胎するという 違法行為が横行していることが男女比不均衡の原因だ。 男性の結婚難を背景に、女性を誘拐して売り飛ばすなどの犯罪行為が増えており、浙江省では、 既婚女性の省外出身者20万人中、3万6000人が誘拐の被害者とわかったという。 現在、性別鑑定や堕胎などの違法行為に対する罰金は1万〜3万元(13万〜39万円)程度だが、 罰金引き上げや懲役刑などの厳罰を求める声も上がっている。
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